第2章 大好き
が席から投げ出される瞬間跡部が抱き止め、床に背中から叩きつけられながら近くにいた筈の執事を呼ぶ
しかし、執事はおろかレストラン内には合宿メンバー以外誰もいなくなっていたのだ
は何が起きているのかと確認をしようと、体を起こすが跡部が離してくれなかった
『まだ動くな、お前はここに座り手すりに掴まっていろ。樺地!こいつを守れ!』
『ウス』
『怪我をした者はいるか!?』
跡部の声に皆大丈夫だと声を上げると跡部率いる氷帝メンバーは室内を、幸村率いる立海メンバーが甲板の状況確認へと向かう
『皆、先ずは安全第一誰一人離れないで、何かを見付けたら声を上げるんだ』
『分かった』
こんな状況でも幸村の冷静な判断で、立海メンバーは取り乱す事はなく甲板へ続く扉を開く
船は揺れも収まり外からの眩しい日差しが射し込み目が眩む
『何だよ、熱くねぇか?まるで真夏だぜ』
『まだ出港して間もないはずだが・・』
外から入る温度差に皆困惑しながらも、一歩外へと足を踏み出した
その頃、跡部達は手分けして乗組員を探していた
『いたか?』
『いませんでした』
『何でや?あれだけいた乗組員が一人もおらんて、ありえへんやろ』
宍戸と鳳が地下エリア、忍足と向日が一階エリアを総索したが、誰もいなかったのだ
まるで、神隠しにあったかのような状況に四人が困惑していた時だった、二階エリアを探していたジローが大声で呼んだのだ、四人は急ぎ声のした部屋迄向かうとそこにはジローと日吉、跡部もいて窓から外を覗きこみ、固まっていた
『何があったんだ跡部!?』
『・・ッお前達、直ぐにの元に戻るぞ!』
『はぁ!?理由くらい』
『時間がないんだ、急げッ!』
跡部の切羽詰まった物言いにただ事ではないと分かり、宍戸は頷き跡部に続き部屋を飛び出す
その頃、もまた窓から外の様子を目の当たりにして呆然としていた
(なんの冗談なの?あり得ないでしょ・・)
『樺地君、皆と合流しましょう!』
『動かないで下さい、外は危険です』
『だからよッ!皆に何かあったら』
『跡部さんに任されました、さんを危険な場所へは・・連れて行けません』
『樺地君・・』