第1章 トリックオアトリート▼高尾和成(R18)
「んっ……んぅ、ふっ…!」
酸素を求めたちゃんの手が俺の胸にそっと添えられる。力が抜けて押し返せないらしい。そんな彼女に苦笑して唇を離せば銀糸がお互いを繋いだ。
「っ、はぁ、はぁ……」
「わり、苦しかった?」
「長すぎ……!」
涙目で睨む彼女。その白い肌に触れて手を下ろしていけばパステルカラーの下着が目に入る。胸元にはワンポイントのリボン。そしてリボンに向かって布が絞られているというカワイイ系のもの。
「ちゃんにしては珍しい下着着てんね?」
「っ…ま、え和成が……」
言いにくそうに口をまごつかせるとちゃんはふいと視線をそらした。言わずもがなその頬は赤く染まっている。
「可愛いのがいいって……」
「……それでこれ着けてくれたんだ?」
「…ん」
涙に濡れた瞳をちらりと俺の方へ向けて軽く頷くちゃん。俺のために着けてくれたって言うことより、俺の言ったことを覚えててくれたっつー喜びで口が孤を描く。