第3章 栗毒薬計画 ▼赤羽業
「ちゃん、これ、匂いわかるかな?」
「どれどれ?
うーん………どうだろ。人間からしてみれば分からないけど…」
しかし、ここに来て事件が発生した。ここにいる誰もが、無臭かどうか分からないのだ。タコ、もとい殺せんせーは未知の生物。どんなに極僅かな匂いだって嗅ぎ分ける可能性がある。
「じゃあモニターで検知してみればいい」
「!イトナくん!」
どうしようか迷っていると、イトナくんが口を開いた。そうだ、彼は機械に明るいんだった。任してみよう。
そうしてできた匂い探知機の結果は89%は水素で出来ていて、残りの11%は様々な化合物が含まれているとのこと。
「うーん……。どうだろうね。
意外と気付かなかったりして」
検査結果から暗殺手段を割り出すのは専ら私の役目。彼氏の業と共に樹形図と確率を使用して計算するものの、こんなの殺せんせーには無意味な気がする。