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秋の空模様 【企画SS】

第3章 栗毒薬計画 ▼赤羽業




香ばしい栗の匂いが鼻腔を擽る。ついつい食べてしまいそうになるも、それは間違えてもしてはいけない。
何故なら、この栗は奥田さん特製、毒薬漬けの栗だから。



***


二学期も半ば、期末試験一ヶ月前が迫ってきた私たちはテスト期間に入る前に大掛かりな暗殺を試みようという話になった。言い出しっぺは渚くん。案を提案したのは業。意気揚々に、まるで台本でもあるかのようなくらい滑らかに暗殺方法を企てる彼に私は苦笑いを浮かべた。こういう時の彼は本当に無邪気というか、年相応に見える気がする。

曰く、『あのタコ美味しいものに目がないみたいだから無臭の毒を混ぜておけば食べるんじゃないか』。
安易だけどこの山なら幾らでも栗はあるし、以前失敗に終わった『プリン毒薬未遂事件』から毒の匂いを消せば成功する可能性はある。殺ってみる価値はあるだろう。
そうこうして私たちの『栗毒薬計画』は秘密裏に進められていった。


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