第2章 ショッピングデート ▼白布賢二郎
「賢二郎」
「何?」
スマホを弄る彼に、袖が緩い青のポンチョと、茶色と白のお洒落な色合いのブラ袖を見せる。いっそ聞いてしまおう。多分それが一番早い。
「どっちがいいと思う?」
「……お前に似合う方?」
疑問に疑問で返された。横目で私を見ながら賢二郎はスマホをタップして私の返答を待つ。
「違う。賢二郎が好きな方」
「……は?」
「今日の!ショッピングは、賢二郎の好みがしりたかったの!」
あああ、ついに言ってしまった。赤いであろう顔を伏せながら聞けば賢二郎は固まったまま私を見ている。その瞳は驚きを含んでいて、私の返答は予想だにしていなかったらしい。
「……どっち」
もうこうなったら後には引き下がれない。半ばやけになりながら問いかければ、驚きから回復した賢二郎が壁によりかかりながら淡々と口を開いた。
「どうせ脱がすんだからどっちでもいい。……けど、俺の好みはコレ」
「え、へ……?え、ええっ!?」
言葉の意味を理解出来ないまま賢二郎にスマホを差し出されてその画面に目をやる。そこには最初私が見せたVネックの白いセーターが映りこんでいた。