第2章 ショッピングデート ▼白布賢二郎
「これとかどうかな?」
「あーうん、いいんじゃねえの」
私と白のセーターをを見比べて呟いた後、あ、とまた声を上げる。そして私の手から白いセーターをとるとそのままワゴンに戻した。
「でもダメ。あれはダメ」
「え?」
「いいから。他に欲しいもんねぇのかよ」
「え?えーと……」
目をパチパチさせながら適当に服を見繕っては賢二郎に見せる。その度に同意の返答を返されて、時間は経過していった。
既に入店したから一時間が経つ。疲労の色を見せた(と言うか面倒くさくなってきた)賢二郎がスマホを取り出して時刻を確認。そろそろお昼時だし買う服も決めないといけないのに、
正直に言おう。
賢二郎の好みがわかりません!!
手に何着かの服を持ちながら結局は自分でどれがいいのか悩んでしまう。ため息という名の魂が出そうだ。もういっそ聞いた方が早いのか。