第2章 ショッピングデート ▼白布賢二郎
「あ、の賢二郎…」
「お前待ってたら」
「え?」
ほぼ声を被せる勢いで話し始める賢二郎。今更ながらに賢二郎の私服にまた目を奪われる。白い肌に青色のチェックのマフラーが似合っている。思ったよりも落ち着いた服を好む彼にまた胸がトクンと暖かい音を立てた。
「お前待ってたら声かけられたんだよ。めんどくさいから放っといただけ」
「あ……」
説明、してくれたのかな。誤解が起きないように。ぶっきらぼうに伝わるその優しさに思わず頬が緩む。チラリと視線をよこした賢二郎の瞳に大好きの意味を込めて微笑んだ。
「っ……」
「うん!ね、私、手繋ぐよりこっちがいい!」
「はぁ?ちょっ、おま……」
繋がれた手を解いてその勢いのまま賢二郎の腕に抱きつく。細そうに見えて意外と逞しい賢二郎の腕は結構硬い。こういうところ見ると流石にバレー選手なんだって思う。白鳥沢で正セッターやってるんだからまあこれくらいは当たり前なんだろうけど。でもやっぱりドキドキする。