第2章 ショッピングデート ▼白布賢二郎
今回は少し訳が違う。目的と言うべきか。今回のショッピングデートには賢二郎の好みの服を知るという目的がある。
彼の好き嫌いはわかりやすいけど、でもそれはバレーとか、なんて言うか、自販機とか見てふと「あ、あれ俺の好きなやつ」とか言うレベル。なので「ああいう服がいい」とか「こういうのは好きじゃない」とか賢二郎は言わない。私の服については特に何も言わない。聞いても「いいんじゃねぇの」くらい。
もっと意見を聞かせて!
そんな切なる願いから生まれたショッピングデート。これはなんとしてでも彼を連れていかねばならない。
「お願い!」
「つかお前、そんな買い物好きだったっけ」
「えっ、それは……」
別に、好きという程ではない。服とかそんな気にしないし…。自分が可愛いと思ったのは買うレベルでわざわざ買いに行くのはあまり……。無頓着に定評のある私は思わずその質問に口ごもった。泳ぐ瞳に賢二郎の視線が注がれるのがわかった。