第11章 最後の言葉
土「・・・・・・」
確かにそこには瑠維がいた。
幽霊?亡霊?
そんなのどちらでもいい。
あいつは死んだ。
夢でも何でもいい。
『あれ?無反応?』
土「瑠維・・・・・キスしていいか?」
『へ?ちょっと待って?普通そっちに・・・・・・』
柔らかい唇にキスを落とす。
短くなった髪も、長いまつげも、白い肌も・・・・・
そのままだ。
深く口づけようとすると、押し戻される。
『ちょいタンマ。あのさ、何か雰囲気ぶち壊してない?』
土「壊してねぇ」
『普通ここは感動の再会だよ?』
そう言う瑠維を無視して、抱き寄せる。
豊かな胸に耳をあてると、心音が聞こえてくる。
『ちょっ・・・・・待って・・・・・・夢かなんかと勘違いしてない?』
土「・・・・・・」
『夢じゃないからね?』
土「お前・・・・・芝居打ってたのか?」
そう言うと、瑠維は苦笑する。
『いや、実際死ぬと思ってたし。まさか生き返るとは思わなかった』
土「生きてんのか?」
『いや・・・・・あのさ、思いっきり胸に顔あててんだから聞こえるでしょ』
確かに聞こえる。どういうことだ?
『とりあえず・・・・・生きてるんで』
土「・・・・・・・どーでもいい」
『はあ!?ってトシィィィィィィ!?』
思いっきり抱きしめる。
苦しそうに悶えている瑠維をさらに倍の力で締め上げる。
『ぐるしい・・・・・・』
土「生きててよかった」