第8章 昔の味方は今日の敵
トシよりもほんの少し爽やかで、瞳孔が開いていない程度。
それ以外は生き写しのようだ。声もそっくりで・・・・・
真「真選組、鬼の副長さんは・・・・・俺にそっくりだな」
真太郎さんは爽やかに笑って見せる。
その笑顔の下には、恐ろしいくらいの殺気を隠し持っている。
『それが・・・・どうかしたんですか?』
真「彼のことは・・・・好きかい?」
真太郎さんはじりじりと歩み寄ってくる。私は動くことも出来ない。
真「彼氏なんだって?彼は優しいようだね、瑠維ちゃんが心を開いた男は、銀時君や桂君、高杉君、坂本君、俺以外にはいなかったからね」
『・・・・・あの人達には・・・・手を出さないで』
私は刀を持ち手を握り締める。
カタカタと刀は震え、額からは汗が流れ落ちる。
真「それには・・・・・条件があるな」
『・・・・・条件・・・・・』
真太郎さんは私の顎を掴むと、自分の眼と合わさせる。
真「土下座・・・・してくれたらいいかな?今後一切、幕府には関わりません。もう二度と、攘夷浪士の邪魔になるような行動はしません、ってね」
『下衆が・・・・・』
私が吐き捨てると、真太郎さんは笑う。
真「いくらでも言えばいいよ。そうだ・・・・・この顔に言い寄られると何も言い返せなくなるだろう?愛した男と同じ顔だからね」
バカにしないで・・・・・トシはトシよ。アンタみたいな下衆で卑劣で変態な男とは違う!!
そう言いたいのを我慢し、私は地面に膝をつけた。
そしてそのまま額を地面につける。
『今後一切・・・・・幕府には関わりません・・・・真選組も辞めます。もう二度と・・・・あなた達の邪魔になるような行動はしません・・・・・だから・・・・・』
真「う~ん・・・・・いまいちだなァ・・・・・じゃあ・・・・彼と同じ顔のあなたを愛していますって言ってよ」
ふざけんな・・・・・何で・・・・・
真「いいのかい?殺しても」