第8章 昔の味方は今日の敵
佐「鶴岡真太郎」
『知ってる?』
佐々木にそう尋ねるが、佐々木は首を振る。
『あの人は・・・・無名だもんね』
私は苦笑いをする。いや・・・・・笑えていないだろう。
あの人が私を狙っている・・・・・
『攘夷戦争の時にね、一緒に戦ってた人なの。無名・・・・・・だけど・・・・・』
あの人は異常だった。異常に・・・・・・
『強かった・・・・・強すぎた。私や銀時なんか比じゃないぐらい・・・・・・・』
佐「・・・・・・」
『ジミーが無事で帰ってきたのは、私を挑発してるの。私が、大切な人を傷つけられるの、嫌いな事知ってるから』
佐「どうするんですか?」
佐々木は間髪いれずそう聞いてくる。それに私は首を振った。
『ごめん・・・・・・私にはあの人とは戦えない。敵わないからね・・・・・・』
佐「あなたらしくありませんね。弱気だなんて・・・・・」
『そう・・・・だね。でも、足掻いたってあの人の前では無駄な抵抗。私を殺すことなんて・・・・・・赤子の手をひねるよりも簡単な事よ』
佐々木を玄関まで見送る。すると、佐々木は帰り際にこう言った。
佐「きっと、彼はアジトに乗り込んでいくと思いますよ?その時は、どうするおつもりで?」
『・・・・・そんなの・・・・・こっちが聞きたいわよ』
佐々木は私の返事を聞くと、踵を返し帰って行った。
佐々木の言った通りだ。
トシも近藤さんも総悟も動くと思う。でも、敵わない。
敵うはずがない。私は止められるの?