第8章 昔の味方は今日の敵
土「オイ!?どうした、山崎!」
トシの大声が屯所中に広まった。その声に隊士たちは一斉にその声の元に集まる。それは、私も同じだった。
『なっ・・・・・・・』
声のその先には・・・・・・・血だらけのジミーが居た。
ジミーは見廻組局長、佐々木に抱えられていた。
土「どういうことだ!?」
佐「我々の管轄内で倒れているのを偶然発見しましてね。まぁ、死ぬほど重度な怪我ではなかったものですから・・・・・・」
『ジミー!とりあえず・・・・・中に!』
私は佐々木にジミーを中に入れるように促した。すると、すんなりと入ってくる。
『何があったの?』
ジミーを寝かせ、私は佐々木に聞いた。
佐「辻斬りの仕業でしょう」
『辻斬り・・・・・・』
佐「随分腕のある辻斬りのようです。うちの隊士たちも何人かやられています」
『一体誰が・・・・・・・』
佐々木と話しこんでると、突然隊服の裾を掴まれた。
山「瑠維・・・・・さん・・・・・・」
『ジミー!?大丈夫なの!?』
山「は・・・・い。何とか・・・・・」
『よかった・・・・・・』
私はジミーの頭を撫でる。その手をジミーが掴んだ。
山「名乗って・・・・・」
『ん?』
山「辻斬りの男・・・・・・名前は鶴岡真太郎っていうらしいです」
『鶴岡・・・・・真・・・・太郎?』
その名前には聞き覚えがあった。どこで?
いや・・・・・彼は・・・・・・・
山「自ら、名乗って行きました・・・・・・・あの男・・・相当な剣の使い手です」
『そう・・・・・・・』
山「瑠維さん・・・・・狙われてますよ」
『・・・・・・そうだろうね』
山「心辺りがあるんですね」
『はっきりはしてないけど・・・・・・・それより、ジミーはしっかり休んで?とにかく生きててよかった』
私のその言葉を聞くと、ジミーは安心してまた眠った。