第29章 白牡丹月夜月夜に染めてほし
ルイが部屋を立ち去り、しばらく経つと、トシが入ってきた。
土「オイ」
『・・・何ですか』
少し間を開けたのは、せめてもの抵抗だ。
これから起こることに対しての・・・
土「俺としちゃあ、話し合いで解決してぇんだ」
『・・・』
それはあのルイに言ったら?意味不明ですけど、あの人。
嫉妬で私の記憶全部消したんだから。
土「無理な実力行使はしたくねぇ」
『・・・』
今、ここでトシを倒して逃げたらどうなる?
逆にあの女の思う壺になるかもしれない。
でも、ここで何も言わなかったらどうなるの?
どうなる・・・
土「・・・はぁ」
どうなるって・・・本当はわかってる
土「ちょっと付いて来い」
今、トシに付いていったら・・・
きっと私は元には戻れない
もし、トシの記憶が戻ったとしても
私の記憶は消えてくれないから