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苦しみの中の幸せ Part3 [銀魂 土方落ち]

第29章 白牡丹月夜月夜に染めてほし


原田さんが部屋から出ていってしばらくたつ。

暇で暇で仕方がなかったので、腰までとはいかないが、肩甲骨のあたりまで伸びた髪の枝毛チェックをしていた。

夢中になって探していると、何かが聞こえてくる。

「大丈夫ですって、問題ないですよ」
「っつってもなぁ・・・」
「副長、本当に大丈夫ですから。ね?」

大方、トシとルイの会話だろう。

よくもまぁ、ぬけぬけと・・・

話はすぐに切り上げられたようで、部屋に女が入ってくる。

「今からの会話は誰も聞いてません。近藤さんも総悟も・・・もちろんトシも聞いてないわ」

「トシ」そこだけ強調するように女は言う。

「さてと・・・初めまして瑠維さん。私は不二磨ルイ」
『あなたの名前は知ってる。どうなってんのか説明してくんない?』

苛立つような声音でそう告げた。
女はウェーブのかかった淡いピンク色の髪を大切そうに撫でえいる。

「どうなってる・・・と言われても、この通りよ」
『まあ、それは見ればわかる。じゃあ、質問変える。どうしてこんなことした?』

どちらが事情を聞いてるのか・・・というよりも、立場が逆転している。

「・・・私は天人なの。人の記憶を書き換えることが出来る。特殊な催眠波でね」
『それもだいたいわかってる』
「私はね・・・トシが好きなの」

・・・はぁ!?ちょっと、意味不明なこと言いだしたよ?

「ずっとずっと好きで・・・追いかけてた。いつか私を見てくれる、好きになってくれるって・・・でも」
『私がいる』
「・・・そう。あなたは後から来たのに、すんなりトシを浚っていった」

何それ・・・

なんだ・・・つまんないの。

『なんだ、結局醜い女の嫉妬ってやつ?くだらない』
「くだらない・・・?それは、あんただから言えるのよ!」

ルイは思い切り立ち上がった。
そのはずみで椅子が倒れる。

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