第29章 白牡丹月夜月夜に染めてほし
原「何か喋りやがれ!!」
私は屯所にパトカーで連行されると、すぐに取調室に入れられた。
原田さんに大声を出されても、そりゃあ、私の肝の座り方は尋常じゃありませんから。
『原田さん、あなたに話すことは何もありません。第一、相手の言葉をすべて否定しにかかる人に本当の事を喋ろうなんて思えない』
原「なっ・・・」
隊長格の隊士が次々と私の取り調べをするが・・・
完膚なきまでに叩き潰している。
そもそも、私と口論で勝とうなんて甘すぎる。
まあ、腕っぷしでも負けないだろうが。
原「・・・もう一度聞く。お前は何者だ」
『藤間瑠維』
原「そう言うことを聞いてるんじゃねぇ!」
『テロリストではない。でも、善良な市民でもない』
原田さんは手をあげようとするが、じっと目を見つめればその手は自然と下がっていく。
顔には自信がある。
さすがに整った顔に張り手一撃を食らわせようなんて思える人間は少ない。
まあ・・・トシや総悟はわかんないけど。
『真選組参謀の不二磨ルイを呼んできて』
原「・・・なぜあの人を知ってる」
『私は真選組の組織図も隊士一人一人の名前もほとんど把握してる』
原「そんなわけ・・・」
『なら、真選組副長さんの土方十四郎と不二磨ルイの出会いでも言いましょうか?それとも伊東鴨太郎の起こした動乱でも?』
全部頭に入ってる。
当たり前だ、私が体験したことなんだから。
原「・・・」
『攘夷浪士に流せば、ここが一気に壊滅する情報なんていくらでも持ってんのよ。不二磨ルイだかなんだか知らないけど・・・』
私のしたこと全部を盗んでいった。
『能力は私の方が上じゃない?』
そう、あんな女に盗られてたまるか。
私の積み上げてきた信頼を
信用を
私を怒らせたこと
後悔させてやる