第27章 人の世のものとは見へぬ梅の花
銀「おっす、ジミーくん」
山「旦那、どうしたんですか?」
銀時は小さな小箱を持って真選組屯所へと来ていた。
銀「いや~、おたくの参謀にお土産をと思ってね」
声をかけてきた山崎に、銀時は手に持っている小箱を振って見せる。
山崎は苦笑いしながら・・・
山「あんまりちょっかいかけないでくださいよ、副長が怒りますんで。あ、多分丁度、自室におられると思いますよ」
銀「お~、最初の忠告は聞こえなかったことにするわ」
銀時のお土産と言うのは、異国でつくられた香水で、可愛らしい・・・というより、美しい群青色のボトルのデザインが瑠維にぴったりだということで買ってきていたのだ。
丁度香りも、甘すぎずさっぱりしたもので、仕事の時につけても害はないだろうと銀時は思っていた。
銀「にしても神楽、あいつ強運すぎだろ・・・。二回目だろ、宇宙旅行券引き当てたの」
そう、これは万事屋ヒロイン神楽の強運のおかげで手に入れたものだった。
商店街の抽選でまたもや、宇宙旅行が当たったのだ。
今回は、坂本に会うこともなく、異国のリゾート地で出番が一切ない間、楽しんでいた。
銀時は帰り際に、手ぶらじゃまずいと思い、お登勢たちにはお菓子の詰め合わせ的なものを、そして瑠維には香水を買ったのだ。
銀「よろこぶ・・・のか?」
自分的には満足の行った買い物だが、瑠維がよろこぶかどうかは定かではない。
まあ、あのバカでも礼儀はわきまえるだろう、と銀時は思う。