第25章 デブの自覚
山「どうしたんですか?」
脱衣所から出てきた私に声をかけてきたのは、真選組のアイドル(思っているのは私だけ)ジミー山崎だ。
山「ジミー大○みたいに言うのはやめてください!」
『体重がねぇ・・・』
山「・・・瑠維さんが普通の女の子の悩みを口に出して・・・」
ジミーは目を丸くする。近くにいた原田さんも私の話が聞こえたようで、絶句していた。
原「うそだろ・・・ありえねぇ」
『・・・やめてください。変な所で驚くの』
山「今までそんな話題が出てきたことないですから」
『・・・今まではほとんど体重が変わらなかったの!』
大真面目に悩んでるのに・・・
山「大丈夫ですよ。全然変わってません」
『毎日見てるからでしょ!?』
原「あんまり痩せてても色気がないと思うけどなぁ」
『あ~、もう!男にはわからないんですよ!』
くっそぉ!
他人事だと思いやがって!!
ジミーと原田さんに慰められながらも、不機嫌な顔で自室に戻っていく。
山「あれ、副長?なんで瑠維さんの部屋に?」
私の部屋の真ん中で胡坐をかいて、仏頂面で座っている。
ジミーと原田さんは空気を読んで自分の部屋へと帰っていく。
土「叫び声出して、折角駆けつけたのに。顔面に凄まじい勢いで物を投げつけるたぁ、どういう恩知らずだ?」
『だって・・・一声かけてもらわないと、バスタオル一枚だったし』
土「バスタオル一枚で突っ立ってる方がわりぃだろ!なんだ、お前は痴女か!?」
『ち、違います!服着て体重量ったら重いし・・・あ』
あああああ!!
暴露してしまった!言わないでおこうと思ってたのに!
土「体重?」
『・・・体重です』
土「増えてたのか?」
『・・・はい』
土「何㎏?」
言えるわけないでしょうが!
口を閉ざしていると、トシがため息をついた。
土「いいじゃねぇか。俺は気にしねぇ」
『私が気にするんです!』
土「つーか細すぎ」
『・・・今、それを言ってどうなるんですか』
嫌味がましく言ってやるが、効果なし。
土「ちょっと来い」
手招きをされ、膝の上に乗せられる。
『重くなってますよね?』
土「気にならねぇけどな」