第23章 すみませんをかねまして・・・(二年後篇)
『なんなのこれは』
銀「知るかよ、なんかみんな二年後とやらに行っちまってるらしい」
『行っちまってるってそれ、逝っちまってるの間違いでしょ』
どうやら、なんらかの理由でみんなおかしくなっているらしい。
銀「お前が間違ってるって可能性はないのかよ」
『ない、それはない』
銀「まぁ・・・俺も一緒だしな」
と、ちょっとシリアスなムードだった。
が
銀「いや~焦ったぜ~、仲間がいてよかったわ」
『ほんと、もうなんかすごかったしね』
二人で馬鹿笑いをしながら、万事屋のソファに腰かける。
銀「あ、煎餅たべるか?」
『あ~、もらうもらう』
銀「ちょっと待ってろ~、お茶汲んでくる」
『ありがと~』
のんびりと暢気にくつろぎに行く。
銀時の持ってきた煎餅をバリバリかじりながら、テーブルの上に置いてあったリモコンでテレビのスイッチをつける。
『お~、長谷川さん、なんかデビューしてんじゃん』
銀「よかったな、これで晴れて就職活動終了」
長谷川さんの勇士を見ていると、番組がニュースに切り替わった。
「えー、続いてのニュースをおしらせします」
『でさぁ、トシがね~』
「休載時期より江戸に蔓延し始めた」
銀「マジかよ、あの多串くんが?」
「謎のイボによる被害が拡大しております」
『ジミーがねぇ』
「医療機関によって正体が掴めてきました」
銀「ちょっと待て、ジミーって誰?」
「生物の身体に寄生し、宿主の養分を吸い取り」
『ほらぁ、監察だった地味の』
「やがては身体をのっとってしまうというこのイボは」
銀「あー、あれね。思い出したわ。あのスキンヘッドの子でしょ?」
「イボではなくキューサイネトルというれっきとした寄生型エイリアンであることが判明しました」
『違うってあれは~』
「寄生後個体差はありますが、二、三日あまりでこのような成体になります」
銀「・・・」
「そこから宿主の情報を読み取り」
『・・・』
「五日後には宿主と全く瓜二つに変形。宿主に完全に成り替わり、独自に進化を始め、一週間余りで二年に相当する成長を遂げます」