第22章 再確認
『・・・はぁ・・・』
最近、立て続けに起こる事件と面倒なことを考えすぎるせいで寝不足だ。
死神事件四人目の被害者の現場に向かう途中のパトカーで、私は座席に深く腰掛けていた。
目がシパシパするし、体がとにかくだるい。
それもそうだ、軽く数えて三日は寝ていない。
つーか、寝れない。
悪夢に叩き起こされるだけで、その後眠気も吹き飛ぶし、寝ようと思えない。
欠伸を噛み殺しながら、助手席からの視線を感じてそちらを見る。
『・・・なんですか?』
土「お前・・・いつから寝てない?」
『・・・三日前?』
その答えにトシはため息をついた。
土「俺は寝れてるぞ」
『仕事のせいはほとんどないです。ちょっと寝付けなくて・・・』
土「三日も寝付けねぇのか?」
『・・・まあ』
そんな変な顔しなくても・・・
こっちが一番参ってるんだから・・・
土「今回の事件、どう思う?」
『・・・まだはっきりとはわかりませんけど・・・』
隣に座っている男を見る。
坂本さんと神威を合わせたような男だ。
天パ・・・とまではいかないが、くせ毛の髪。いつも笑顔でつかみどころがない。
公儀御試御用、十八代目「池田夜右衛門」
はっきり言って、この男が下手人だ。
そんなことはわかりきっている。
だが、どうしてもわからないのだ。
なぜ、このようなことを行っているのか。
もうすでに終わったことを、今更掘り出してどうしようとしたいのか。
夜「何か私の顔についていましたか?」
考え事に夢中で、つい夜右衛門の顔をガン見していたようだ。
『いえ、知り合いに似ていたもので・・・』
春雨提督の末恐ろしいバカガキに・・・
というところは避けておいた。