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苦しみの中の幸せ Part3 [銀魂 土方落ち]

第21章 初めての・・・


それにしても・・・

『なんか・・・久しぶりだなぁ』

つーか・・・ほとんどないよね?トシの寝顔見ることなんて。私の方が先に寝るし、私の方が後に起きだす。

穏やかな顔して眠っていると、悪戯したくなる。
それはさすがにやめたが。

『うっわ・・・髪サラサラ・・・』

頭を撫でると、指と指の間を綺麗な黒髪が流れ落ちていく。
そのまま、頬に手をおろし、輪郭をなぞる。

土「ん・・・」

小さく身じろぎをする。起きたかな?と思ったが、かなり深い眠りについているようで、また眠った。

次は指で唇をなぞる。少し荒れてて、きつく結ばれている。

『かわい~・・・』

油断しまくりだな~とか思ったりもするが、スキはほとんどないに等しい。
その小さなスキに入り込むのが私なのだが・・・

『おつかれさま・・・』

先ほどなぞったばかりの唇に、私の唇をほんの少し当てる。

そのまま部屋を出ようと背中を向けた時、いきなり背後から手が回された。

『わっ・・・』
土「おかえり・・・瑠維」

後ろから抱きしめられ、耳元でささやかれる。

『ん・・・ただいま』

ぎゅうっと腰に回された手に力が入る。
なんか・・・落ち着くなぁ・・・

土「ねみぃ・・・」
『寝てていいのに・・・手伝うよ?』
土「いや・・・」

まだ半分寝ぼけているのだろうか。単語単語で言葉を紡いでいる。

土「あ~・・・」
『どうしたの?』
土「いや・・・久しぶりだなと思ってな・・・」

いつもより甘えてくるトシ。
やっぱ・・・可愛い・・・

土「近藤さんに何もされなかったか?」
『アハハ・・・してたらこの世にいないと思うよ?』
土「・・・それもそうだな」

トシは微笑みながら、私の髪に触れる。

土「少し伸びたな」
『ん~?ああ・・・切ろっかな~。邪魔だし』

伸びかけの髪を引っ張りながらそう言うと、ふぅんと興味なさそうな反応が返ってきた。

『そっちが聞いたのに・・・』
土「どっちでもいいだろ。長い方が似合ってたような気もするけど・・・まあ、短いのもいいが」
『・・・じゃあ伸ばそっかな・・・』

その後もベタベタと甘えてくるが、邪険には扱えない。
別に嫌じゃない・・・つーか、嬉しいし。

土「瑠維、キス」
『・・・私からしろって?』
土「ああ」

短い返事の後、トシは大人しく目をつぶる。

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