第17章 は・・・はめられたァァァ!!
なんとか治まったのはもう夕方のことで・・・
『う~・・・』
着流しに着替え、畳の上にあおむけになっていた。
蝉の声が心地よく響く。あ~・・・夏だ・・でも、誕生日終わった・・・あ~・・・秋が来る・・・芋・・・栗・・・さんま・・・食い物ばっか・・・
うわごとのように呟く。
目を閉じていると、ぎしりと畳がなった。
煙草の匂いがする。
『トシ~?』
目を開けると、明らかに不機嫌通り越して恐ろしい顔したトシがいた。
『別に何もしてないし・・・第一、神楽ちゃんいたでしょ?だから何もない!』
土「必死で言い訳か」
『・・・ほんとに何もないって。銀時だって私に盛るほど飢えてないって言ってたし。しかも、昨日は銀時も私もつぶれてたんだから』
めんどくさいなぁ・・・
体を起こすと、まだ頭痛が残っていた。
『っ・・・』
土「・・・飲み過ぎだ」
『わかってます』
トシは畳の上に腰を下ろすと、私の腕を引き、抱き寄せる。
煙草の匂いが広がって、でも、それと同時に幸せも広がる。
何度抱きしめられても慣れることがない。
でも、最近は本当に心地いい場所になってきた。
一番落ち着けて、一番大好きなところ。
『・・・煙草臭い・・・』
土「・・・仕方ねぇだろ」
『うん、だから好き』
素直に口に出した言葉を聞いて、私が一番驚いた。
土「煙草の匂いが、か?」
『え?・・・あ、うん。それも好き。でも、』
それからは顔を伏せて呟いた。
『こうやって抱きしめてくれるのが好き。つーか、トシが好きだしね』
ほんの少し顔を上げ、薄い唇にキスをする。
『んぅ!?』
後頭部に手をかけられ、深いキス。