第17章 は・・・はめられたァァァ!!
だったらどんなによかっただろう。
『いっ・・・・』
唇を思いっきりかまれた。口内に血の味が広がる。
『何すんのよ・・・』
睨みつければ、予想を反したトシの顔。
土「お前賢くなったよなぁ」
『は?』
土「話反らすのがうまくなった」
『別に反らしてなんか・・・』
トシから離れようとすると、顎をつかまれる。
『・・・トシ』
土「・・・」
『・・・ごめんなさい』
目の前にいるトシがまったく違う人のようで、冷たくて、怖かった。
『・・・ごめん・・・なさい』
泣いてはいない。だが、また吐き気がしてきた。
昔のことを
思い出して。
『ごめ・・・』
土「もういい」
『・・・ごめんね』
土「だから、謝らなくていいっつってんだよ。もうわかったから」
トシは笑うと、私の頭を撫でた。
土「言っとくけどな」
『?』
土「お前だけは誰にも渡さねーからな」
『・・・うん』
土「万事屋だろーが高杉だろーが」
真面目な顔してそう言うもんだから、おかしくて笑ってしまった。
土「まあ、お前が俺から離れらんねーだろうがな」
久しぶりに見た。
鬼の副長の恐ろしい笑み。
独占欲の塊
嫉妬深い彼の気持ち。
『・・・独り占めできるのはこの私・・・か』
土「なんか言ったか?」
『ううん、別に』
涼しくなってきた夕刻。
久しぶりの暑苦しいほどの長く切れない約束(鎖)
なんかかっこよくなっちゃったんですけど!?
まあ、いいか。