第17章 は・・・はめられたァァァ!!
髪色に合った淡い青色の着物。トシに貰ったかんざしで髪を結った。普段まったくしない化粧を薄くする。(とは言っても、唇に薄く紅を塗り、頬にも紅を塗っただけだ。はっきり言って私の顔は化粧映えしない)
『・・・まあ、いいでしょ』
鏡で後ろ姿を確認する。この着物は新調したもので似合うかどうか不安だった。が・・・さすがはお妙さん。これは、お妙さんに選んでもらったもので、自分でも驚くぐらい似合っている。
土「・・・随分と上機嫌だな」
『・・・ばれた・・・』
土「どっか行くのか?」
一番見つかりたくない奴きたァァァ!!
『ちょっと・・・』
土「ふ~ん・・・」
何?その疑り深い目は!!
『銀時たちと・・・』
土「たち?」
『坂本さんが帰ってきてるらしくて・・・』
土「・・・」
『銀時じゃなくて、坂本さんに誘われたの』
トシは近づいてくると、私の髪を引っ張った。
『崩れる・・・』
土「ほどけ」
『は?』
土「髪、下せ」
いや・・・いきなり何言ってんの?この人・・・
『嫌だ。せっかく綺麗にできたのに・・・』
土「ならいい」
それだけ言うと、トシは私のうなじに唇を当てた。
『っ!?』
そのまま強く吸われる。まさか・・・
唇が離れた瞬間、鏡を見た。すると・・・
『あああああ!!』
まあ、言わずもがな・・・ですね。
土「これで下すしかねぇだろ?」
鬼の首を取ったように笑うトシに、吐き捨ててやった。
『エロジジイ!!』
土「ジジイって・・・お前・・・」
『バ~カ!!バカ!バカ!死ね!ワーカホリック!!』
ぶつぶつ言いながら、かんざしを取り、結っていた髪を下す。
『死ね!総悟に殺されろ!』
土「・・・」
『いや、いっそのこと私が殺すか・・・』
土「お前が言うと、怖ェからやめろ」
その言葉に返事もよこさず、髪をくしでとく。
山「瑠維さ~ん!!旦那がきてますよ」
ジミーの声に私はバタバタとし始める。
とは言っても、手提げの中身を確認するだけだ。
『トシ!変な所ない?』
クルリと回ってみせると、トシは、ああ、とつぶやいた。