第16章 誕生日♪誕生日♪・・・なのになんで・・・プールなの?
次の日、目が覚めると隣にはトシが眠っていた。
とは言っても、特になんの形跡もなくただ眠っているだけのようだ。
『頭・・・・いってぇ・・・』
激しい頭痛に見舞われながら、体を起こす。その時、耳に違和感を感じた。
『ん?』
耳たぶに触れてみると、ひんやりとしており、固い感触がする。
『・・・え?・・・うそ・・・』
そばにあった鏡を引き寄せ、覗き見ると・・・
私の耳にはピアスがつけられていた。ダイヤのスタッドピアスで、明らかに高値だということがわかる。
・・・・じゃなくて!!
私にピアスホールってなかったよね?
え?・・・じゃあ・・・
『トシィィィィィ!!』
横で眠っていたトシの鳩尾を殴った。
土「いって・・・」
うずくまりながら体を起こすトシに食らいつく。
『勝手にピアスホール開けたでしょ!?』
土「あ?」
『最低・・・というより、怖い!!』
ぎゃーぎゃー騒ぐ私を恨めしそうに見てくる。
いや、その表情したいの私!!普通人の耳に勝手に穴つくるか!?
『よく私起きなかったね』
土「起きたぞ。でもすぐ寝た」
『・・・』
土「プレゼントだ」
『ピアスホールが?』
土「・・・いらねーなら返せ」
得に顔色を変えるわけでもなく、トシはそう平然と返してくる。
『嫌だ!!もらう!ありがとう!』
やけくそになり、三連続でそうマシンガンのごとく吐き捨てた。
トシはおかしそうに喉を鳴らす。
土「どういたしまして」
笑いながらそう言われれば、どうしようもない。
顔がいいってのは考えどころだね、うん。
『・・・でも、普通寝てる人、違う意味で襲わないでしょ』
土「襲ってねーだろ」
『違う意味で!!』
後ろから抱きしめられた状態で、顔だけトシの方に向け不満を言う。
そんな時
山「瑠維さん、副長知りませんか?」
と、廊下から声がした。ジミーが大方、部屋にいないトシを探しに来たのだろう。
私が答える前に、トシが言葉を発した。
土「なんだ?」
山「・・・すみません。俺、急用ができたんで。見なかったことにしますから」