第16章 誕生日♪誕生日♪・・・なのになんで・・・プールなの?
『・・・うれしいような・・・ムカつくような・・・』
綺麗な花束を弄りながら、腑に落ちないようにそう言う。
近「今日の主役は瑠維ちゃんだ!さあ、なんでも言ってくれ」
近藤さ~ん。言ってることの意味が分かりません。
『はあ・・・じゃあ、お腹空いたんで夕飯食べていいですか?あとは特別なことしなくていいんで』
瞬間、周りの空気が冷たくなった。
まあ、そりゃそうだ。でも、こんな嫌がらせされたんだからこのぐらいの仕返しはいいだろう。
近「え・・・と・・・怒ってる?」
『別に』
近「・・・怒ってるよね?」
『怒ってません』
近藤さんはかなり落ち込んだ様子で、「瑠維ちゃんの分の飲み物も持ってくるから」と食堂の方に歩いて行ってしまった。
土「・・・オイ」
『怒ってないよ。ただの悪ふざけ』
沖「近藤さん、傷つきやすいんですからもうちょっと優しくしてあげてくだせェ」
お前らのせいだろうーが・・・とか思ってたけど、神山によってそれは阻まれた。
神山「瑠維さァァァァァん!!お誕生日おめでとうございます!!そして生まれてきてくれてありがとうございます!!」
『・・・うん、ありがとう神山。それと最後の言葉は神山が言う言葉じゃないよね?あんた私の彼氏?』
冷静にツッコミながら皿に乗せられていたシュークリームをほおばった。
クリームが口の中ではじける。その甘さにほおが緩んだ。
もう一個食べようとすると、その手はトシが遮った。
土「先に飯食ってからにしろ」
『い~じゃん、ケチ。てかお父さんじゃないんだからそんなこと言わないでよ』
もごもご口を動かしながらそう言うと、ちょうどいいタイミングで近藤さんが現れる。
その手にはドンペリが握られていて・・・
『ドンペリだァァァァァ!!』
速攻で機嫌が直った。