第16章 誕生日♪誕生日♪・・・なのになんで・・・プールなの?
『う・・・ん?』
目を開けると、そこは私の部屋で・・・
きっとトシが運んでくれたのだろう。とか思いながら起き上った。
ご丁寧に布団まで敷かれており、ワンピースではなく楽な流し着に着替えさせられていた。
『着替えくらい自分でできるのに/////』
立ち上がり、大きく伸びをする。
その瞬間、腹の虫が鳴り響いた。
そういえば、昼食をとっていなかった。
辺りはもう真っ暗で、腹がすくのも理解できる。
まだ十分にはとれていない疲れと眠気。この二つと戦いながら、食堂に向かう。
『今日の夕食なんだったっけ・・・』
独り言をつぶやきながら、廊下を歩いていく。
食堂に向かう途中、大広間のふすまが閉まり、その中が灯りで照らされていることに気づいた。
会議?とか考えながら通り過ぎようとすると、突然ふすまが開き、中から伸びてきた腕に手を引かれた。
実は・・・私は霊とかなんか・・・そういう類のものが嫌いで・・・
『ぎゃあああああ!!!』
そう叫びながら私の腕をつかんだその手を逆につかみ返し、思いっきり背負い投げをしてしまった。
『なななななな何!?』
どもるとか言うレベルじゃないくらい「な」を連呼してしまった。
我に返り、投げた相手を見ると・・・
『じ・・・ジミー?・・・』
出番がないからって・・・なんの嫌がらせよ!!
とつっこもうとすると、いきなり笑い声が起きた。
びっくりして前を見ると、ほぼ全隊士が集まっていた。
そして部屋の中央に張られている横断幕を見ると、
「誕生日おめでとう!!」
と大きく書かれていた。
訳が分からず、きょとんとしていると後ろから喉を鳴らす音がした。
それで、ジミーにこんな悪ふざけをさせたのが誰なのかわかった。
『総悟!トシ!いい加減にして!!』
めちゃめちゃ大声でどなる。すると、二人とも大笑いとまではいかないが、かなりおかしそうに笑う。
気絶しているジミーを起こすと、近藤さんを見た。
『近藤さんも、こうなることはわかってたでしょ!この二人止めれるの近藤さんしかいないんだから、ちゃんと止めてください!』
近藤さんは謝りながらも大爆笑。
すると如月さんが歩いてきた。
如「まあまあ、誕生日なんだからそんなに怒らないで。はい、花束」
大きな花束を渡される。そんな如月さんの顔も笑いをこらえているようだった。
