第15章 き・・・季節が真逆だ・・・夏祭り
何か言おうとする銀時にニッコリ微笑んだ。
『折角のデートなんだから邪魔しないでくれます~?兄貴分なら、私の幸せ願ってくれるよね?』
銀時は私のその言葉に開き直った。
銀「はい~?俺がいつお前の兄貴分になったの?俺はいつでもお前を護ってたろ?なら今、その恩を返せよな」
それはさすがに私も頭にくる。
『私は恩を返してますけど?ほら、尾美一篇だって、バラガキ篇だって、一国傾城篇だってぇ私のおかげで解決したようなもんでしょうが』
銀時の額に青筋が浮き出る。
銀「なんだよそれ?それはこの作中だけであって、実際は銀さんだけで解決してんだよ。いい所だけお前の手柄にしやがって」
『そんなの知らないです~。つーか、それは作者に言ってくれる?私にはどうしようもないんだけど』
先ほどとは真逆の立場だ。思いっきり銀時と睨みあっている。
銀「チビ」
『女ではデカい方だけど?このクルクル頭』
銀「うっせぇ、ガキ」
『二十歳越えてるけど?』
銀「精神的にだよ。ったく・・・昔はもっと可愛げがあったのになぁ」
『うるさい、銀時たちが甘やかすからでしょ』
銀「少なくとも俺は甘やかしてねぇ。そりゃあのバカ三人だろ」
バチバチと火花が散りそうなくらい睨みあっていると、いきなり腕を後ろにひかれ、ポスッとトシの胸に顔を埋めた。
土「万事屋、仕事中だ。また後で捕まえてやってくれ」
優しい声色、優しい口調。銀時に・・・だ。
そのまま唖然としている銀時を置き去りにし、トシは私の手を取って先に先にと歩いていく。
歩くペースも心なしか速い気がする。
『あの・・・副長?』
そう呼びかければ、手の力が強くなった。
トシは私に手加減をしない。自分が怒っていれば、私の腕に青あざを作るぐらい握ることがある。
まあ、トシもそれぐらいしないと私が反省しないことも、痛いと思わないことも知っているからだろう。
『怒ってます?』
そう聞くと、人通りの多い大通りから、人気のない路地裏に連れ込まれた。