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苦しみの中の幸せ Part3 [銀魂 土方落ち]

第15章 き・・・季節が真逆だ・・・夏祭り



私はトシの手を振り払う。

その行動が意外過ぎたのか、トシはほんの少し驚いた顔をして立ち止まり、振り向いた。

『どうしたの?』

近づきそう尋ねると、トシは、いや・・・と口ごもった。

土「なんでもねぇ。巡回戻るぞ」

そう言い、大通りに戻ろうとする。

そっちが連れ込んだくせに・・・自分勝手だなぁ

一人でむくれていると、小さないたずら心が芽生えた。

『ト~シ!』

後ろを向いていたトシの背中に思いっきり抱き着いた。
腰に手を回し、ぎゅうっという効果音が付きそうなくらい抱きしめる。

『やきもち?』

その単語にトシは反応をしめした。背中がわずかに動いたのだ。

『そうでしょ?やきもち・・・・鬼の副長がやきもち・・・ねぇ・・・』

からかい口調でそう言う。すると突然、トシが無理やり体を反転させてきた。
そのまますっぽりトシの胸に納まる。

土「わりぃかよ」

照れたように呟くトシがどうしようもなく愛おしくて、どうしようもなく可愛かった。

『・・・大好き』

見上げ、そう笑うと、トシも自嘲気味に笑った。

そのまま何分かその状態で、私はしがみ付くように抱き着いていた。

トシの顔に埋めていた顔を上げ、薄い唇にキスをした。

『・・・今日さ・・・近藤さんに邪魔されたから・・・』

それだけ言うと、また顔をもとの状態に戻した。
だが、頤に手をかけられ唇を奪われる。

『ん・・・・』

何度しても慣れることが出来ない。体に力が少しずつ入らなくなってくるのだ。
甘い感覚に脳がマヒする。溶けそうで、激しい。

なのにそれとは反対に、触れてくる手は優しい。

唇を離すと同時に、私は崩れ落ちそうになる。

だが、それを支えるのもいつもトシの仕事。

『・・・長い』
土「ああ、わざとだ」

しれっとそう言うトシもまたかっこいいだなんて、私は病気なのだろうか?

違う、断じて違う。これは・・・

『・・・夏バテということで・・・』

そう考えておこう。
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