第15章 き・・・季節が真逆だ・・・夏祭り
それから5分経っても10分経っても総悟は帰ってこなかった。
土「あの野郎・・・」
『まあまあ、総悟も遊びたい年頃なんですよ。今日くらい大目に見ましょうよ』
結局は二人での巡回になってしまった。トシはぶつぶつ小言を言いながら、咥え煙草で歩いていく。
『近藤さん・・・もう帰りましたかね?』
土「さぁな」
『・・・後で銀時たちの店に行ってもいいで・・・』
土「ダメだ」
でた、間髪入れずに否定の言葉。
何がいけないのよ~。何が悪いのよ~。ニコチン中毒者。
『え~・・・何でですか?別に挨拶に行くくらいは・・・』
土「どうせあの野郎のことだから・・・なんか買わせるに決まってんだろ?」
フゥっと煙を吐き出しながら、細目で前を見る。
・・・色男って・・・
何しても似合うんだよね。かっこいいよな~、トシ。
土「なんだ?」
トシをボーっと見つめていた私はその言葉に我に返った。
『いいえ、なんでもありません』
土「ならいいけど・・・」
そのまま歩いていると、なぜか背後から声がした。
なぜか・・・あの声が。
銀「お~い、瑠維。寄ってけよ」
綿菓子片手に笑顔の銀時。絶対私たちに気づいて追ってきたな・・・
そんな銀時にトシが詰め寄る。
土「あいにくこっちは仕事中だ」
だが、銀時もそれに負けじと応戦する。
銀「お前には聞いてねぇよ。つーかおたくのゴリラも仕事サボってたけど?沖田くんもうちの神楽と喧嘩してるけど?」
にらみ合いが続く。あ、総悟は神楽ちゃんのところか・・・
一向に終わりそうもないやり取りに、私が間に入った。
『はいはい、だいの大人がそんなことで口喧嘩するのはやめましょうね~。周りの人たち怖がって近づいて来ないでしょ~』
睨みあっているトシの腕を引き、二人を離す。
銀「瑠維、型抜きしねぇか?」
『・・・いや、いい。なんか怖いし・・・』
遠慮しておくというように手を前に出すと、銀時は少し眉をひそめた。