第15章 き・・・季節が真逆だ・・・夏祭り
『んぅ~!!綿菓子最高!クレープばんざ~い!!』
沖「こっちのたこ焼きもまあまあですぜ」
『ほんと!?一口ちょうだい!!』
私は片手に綿菓子を持ちながら食べ、総悟に一口たこ焼きを貰いながら歩いていた。
クレープはもうすでに食べ終えた後だ。
もう巡回というよりかは、祭りを楽しんでいる図だ。
そんな私たちを不機嫌な顔で見ているのは鬼の副長で、ちゃっかしこっちもマヨだらけのたこ焼きをほおばっていた。
『リンゴ飴も買おう!』
土「お前ら・・・目的忘れてねぇか?」
沖「やだな~土方さん、忘れてやせんよ。少なくとも俺は」
『え!?私も忘れてないよ!?』
綿菓子を食べ終え、リンゴ飴を買いに行く。
すると気前よくおまけを一つくれた。
『はい、総悟』
沖「ああ、ありがとうごぜぇやす」
小さめのリンゴ飴をほおばりながら歩いていく。
親子連れやカップル、老年の夫婦など・・・さまざまだ。
『かき氷も食べたいな~。練乳たっぷりのいちごのシロップがかかったやつ』
土「・・・どんだけ食べるつもりだ。腹壊すぞ」
『まあまあ、副長。羽目を外さないと仕事になりませんって!!』
少しずつ飴が溶け、リンゴが露わになってくる。
完全に飴を溶かし終えると、リンゴをかじり始めた。
『んふふ~。あ~、美味しい!』
土「・・・やめろ、ロクなもん食わしてねぇみたいに見えんだろうが」
『やだな~、そんな風には見えませんよ』
リンゴを食べ終えると、箸をゴミ箱に捨てる。
沖「お好み焼きいりやすか?」
『あ、パスする。青のりがすごいし・・・』
沖「へぇ、瑠維でもそんなこと考えるんですか」
『考えます。あ、隣のかき氷も買ってきて?』
沖「・・・俺をパシリにするとはいいご身分で」
軽愚痴をたたきながら、総悟は人ごみに消えていった。
残されたのは若干不機嫌なトシと、私。
周囲から私たちはチラチラとみられている。
隊服を着ているから当たり前か。
仕方ない・・・うん、仕方ないよ、近藤さん。
離れたところにお妙さんと並んでいるのは近藤さんで、なぜか銀時たちに絡まれている。
『・・・副長』
土「・・・なんだ」
『近藤さん、よかったですね。念願の浴衣デートですよ』
土「そうだな。近藤さんは浴衣じゃねぇけどな」
『いいんですよ、きっと・・・』
私たちはそのまま近藤さんを哀れな目で見つめていた。
