第14章 本当の事
これ拷問にしか見えないんだけど・・・
絶句していると、後ろから羽交い絞めにされた。
「もう逃げられんぞ!」
『ちょっ・・・放せ!!』
そのまま何人もの奉行所の奴らが現れる。私はじたばたしながら大声で叫んだ。
『このまま死ぬとかふざけんなよ!!ちゃんと話してよ!なんで会った時に言ってくれないの!?少しは信頼してよ!!』
その声に顔をあげた。私は羽交い絞めにしている男の鳩尾を殴り、気絶させる。
『全部聞いた!あんたが誰なのか、どうしてこうなったのか、どうして私を狙ったのか。でも、未だに信じられない。だからお願い、あんたの口から話をして!!』
そう言い、顔をあげると笑っていた。
そして言う。
誠「元気にやれよ、瑠維」
兄がそう言ったのと紐が切られるのはほぼ同時だった。
声は聞こえなかった。でも、口の動きで理解できた。
燃え盛る炎を見ながら私は一歩も動くことができず、そのまま引きずられていった。
顔を変えていた。でも、もう少し早ければ気づけたかもしれない。
笑った顔・・・嬉しそうに笑った顔は昔と何も変わってなどいなかったからだ。