第14章 本当の事
晋「・・・とりあえず、お前がそんな体になったいきさつだ。俺は、真太郎に聞いた。いずれお前に教えてくれって言われてな」
『・・・じゃあ・・・どうして私を二回も・・・』
自分の発した言葉に自分自身で息をのんだ。
『天導衆が私を狙ってるの?』
そう考えるとつじつまが合う。
天導衆が狙っていることを知ったから、私の力を完全に覚醒させた。
この、再生の力と強さを・・・
晋「お前は死なない。・・・って言いてぇところだが実はそうじゃねぇ。細胞分裂って知ってるな?」
頷くと話し始める。
晋「細胞分裂を急速に速めて、できた傷を再生させる。ただし、細胞分裂を速めるってこたぁ寿命を縮めてるっつーことだ」
『・・・細胞分裂は一生のうちで何回行えるか限られている・・・』
晋「普通の人間なら何回か行えば確実に死ぬ。でも、お前らは違う。普通の人間の何倍も寿命が長ぇからな」
『・・・そっか・・・だからいくらおこなっても寿命で死ぬことは、少なくとも引き伸ばされる』
晋助によれば、これは随分昔に滅びた種族を掛け合わせたらしい。
再生力をもった種族と、夜兎以上の力を持ち、はるかに長生きをする種族とを・・・
晋「お前のその紅桜は本物じゃねぇ。あいつの血を使ってできた刀だ。それを抜くことでお前の力を引き出すことができる。つっても普通の人間にゃあ持てねえ。だから俺が妖刀って名づけた。それだけの話だ」
これでぴったりと重なった。
パズルの最後のピースがそこに治まったようだ。
『・・・真太郎さん・・・名を・・・藤間誠司。確か処刑の日は・・・明後日・・・』
小型船しかない。明後日までに戻れるのだろうか?
でも、戻るしかない。ちゃんと話がしたい。もう一度・・・もう一度だけでいいから。
『本当のこと・・・教えてくれてありがとね、晋助』
それだけ言い残すと、私は走った。
そして、坂本さんたちが残してくれていた小型船に乗り込もうとした。
その時、最悪な声が聞こえたんだ。
神「元気にしてた?瑠維」