第14章 本当の事
『・・・・』
晋「・・・・」
鬼兵隊のみんなは晋助が部屋から追い出した。この部屋にいるのは私と晋助の二人。私は黙って出されたお茶を凝視している。
いや、いくら喉乾いててもさすがに出されたものをみすみす飲むのはちょっと・・・ねぇ・・・
晋助も無言で煙管を吹かしていた。
たぶん、私が何を言いたい・・・聞きたいのかわかっているのだろう。ということは、やはり晋助は知っていたのだ。
『・・・単刀直入に聞くけど・・・』
そう言うと晋助はこちらに目線を傾けた。
『知ってるの?私が何なのか』
聞くのは怖い。でも、聞かないと前に進めない気がする。
晋「怖いのか?」
やはり晋助はすごい。人の心情を・・・私の心情を読み取る。
だから、私が怯えていることも知っているのだろう。
晋「そんなに怖がることじゃねぇよ。ちょっと人より違うってだけだ」
だからこうやって言ってくれるんだ。
『っ・・・・う・・・』
ゆっくりと流れ落ちてくる。でも、自分では止め切れない。ボロボロと涙が私の頬を濡らす。
晋助はそんな私に少し。ほんの少し苦笑すると、私の頭を撫でた。
晋「まだガキだな」
『う・・っ・・・るさい・・・』
泣き止むまで待っていてくれた。
こうやって・・・こうしてくれていると、何ら昔とは変わらない気がする。
でも、もう戻れない。戻らない。
そして今回のことはまた私たちが離れてしまうことに拍車をかけてしまうかもしれない。
自分のことを知るのも怖いけど、みんなとまた離れていくことになるのがなにより怖い。
グイッと自分の袖で涙をぬぐい、晋助を見つめた。
『私はもとは人間だった。でも、今は違う。それはいつから?いつからこうなったの?』
たたみかけるように質問した。
晋助はため息をつくと、長くなる。と前置きをして話し出した。