第2章 合同演習って・・・・サボりたい
乾いた銃声が鳴り響く。全員の注目が私に向いた。
一人は確実に仕留めた。もう一人の方が引き金を引くのが見えたが、それは私が引き金を引き、弾を放っていた後だった。
土「瑠維!?」
トシが私の名前を呼ぶが、私はトシの方には眼もくれない。
混乱に乗じて天人達が傾れ込んでくる。
私は右手で銃を操り、一か所の入り口に発砲する。そして二か所目に左手で刀を投げつける。
そして私は走り出した。右手の銃を投げ捨て、空いた手で刀を一気に抜刀する。三か所目の出口に居る天人を全員斬りつけた。案外動きが遅かったようだ。だが、三か所目は布石に過ぎなかったようだ。
三か所目の敵を全員殺し終えた瞬間、背中に酷く濁った殺気を感じた。私は地面を蹴り、一気に飛躍する。
私の元居た場所には金棒が振り下ろされる。
私はそのままバク転を繰り返し、間合いを取った。
一か所目の敵は数人残っている。だが幸い、傭兵部族の天人はいないようだ。二か所目もやはり数人、そこには辰羅が居た。あれぐらいの人数なら問題あるまい。
だが、一番の敵はコイツだ。
傭兵部族、茶吉尼だ。しかもかなりデカイ。
『くっそ・・・・・茶吉尼はきついな・・・・・』
玄「俺の名前は玄善。覚悟だ春雨提督藤間瑠維」
玄善の言葉に、私は首を振った。
『そりゃ残念。人違いですよ?私は春雨の提督じゃない』
玄「だが貴様は強い・・・・・異常なほどにな」
『どーもありがとうございます。でも・・・・・これだけのお荷物抱えて戦うのはきついんだけどなァ・・・・せめてこの人たちには手を出さないでくれる?』
その一言に玄善は笑う。
玄「人情が厚いようだな・・・・・」
『違うわ。足手まといなだけよ』
私は刀を抜いた。無論、白刃である。
玄「よかろう、本気の貴様と戦いたい。手を出すなよ辰羅共、俺が・・・・・・」
玄善はそのまま倒れた。もちろん原因はこの私。
一気に間合いを詰め、腹をかっ捌いてやったのだ。玄善の脇腹からは噴水のごとく血が吹き出す。
その血は私を真っ赤に染め上げた。