• テキストサイズ

苦しみの中の幸せ Part3 [銀魂 土方落ち]

第2章 合同演習って・・・・サボりたい


『・・・・・油断しすぎよ・・・・・』

私は赤く染まった前髪をかきあげた。手には真っ赤な血が付いてくる。

辰羅達が襲ってくる。その全てがスローモーションのように見えた。私は辰羅達の懐に潜り込み、一人ひとり急所をついていく。

そうだ・・・・・忘れていた。この感覚・・・・・
赤い血、それは命を思い出す材料。そして・・・・私の中から、かつての・・・・舞鬼神の感覚を・・・・・取り戻す最高の材料。

私は紅桜に手をかけた。
今なら幕府だって落とせる。憎いやつを殺すことだって出来る。
真っ赤なものが私を・・・・・・

その瞬間、私の頭にはある記憶が蘇った。

「もう平気ですよ?よく頑張りましたね。これからはもっと・・・・自分を・・・・人を・・・・労わってくださいね?」

「約束・・・・ですよ?」

先生の声、顔、そして仲間を護ると言う約束。

私はそこで正気に戻った。

そして辺りを見渡す。そこは地獄絵図と化していた。
真っ赤な血の海。

警察関係者は誰一人殺していないようだった。
私はそのまま紅桜から手を離す。

一体・・・・・何をしようとしていたんだろう?
そんなの・・・・わかってる。
殺そうとしたんだ。
大切な人たちを・・・・・・もう、誰も失いたくない。
そう考えてた私の奥底に・・・・・

こんな感情があっただなんて・・・・・

人を殺す事が楽しくて仕方がない。

黒いケモノ?

私は・・・・・・晋助みたいになって・・・・・

違う、私はただ己の快楽の為に・・・・・?

私は手のひらを見つめた。

一体これは誰なの?
本当に私なの?

『やぁ・・・・・・・』

私の頬をしずくが濡らした。
それはすぐさま溢れだす。

『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

一体私は・・・・・・何なの?

/ 250ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp