第27章 小さな太陽と大きな背中
~菅原side~
久しぶりに見た旭のスパイクは···影山達3人のブロックに捕まって落ちて行く。
オレはただ、茫然とボールの行方を見送ってしまった。
···そうじゃない。
足が···動かなかった。
目の前の出来事が、あの日と···重なって見えてしまって。
でも···前と違うのは。
西「クッ···」
嶋「おおっ!上がった!!」
懸命に飛び込んだ西谷が拾い上げ、まだ···ボールは落ちていない!!
西「壁に跳ね返されたボールも、オレが繋いでみせるから···だから···だからもう1回!トスを呼んでくれ!!エース!!!」
···西谷!
そうだ、そうだよな!
お前が拾ったボールを、オレが旭に···繋がないと!!
西谷の痛いくらいの強い気持ちに押されるように、ボールが高く高く上がって行く。
嶋「カバー!!」
「オーライ!」
西谷の気持ちは、ちゃんと受け取ったからな。
ここからは···オレの仕事だ!
···どうする?誰に上げる···?
多分、レフトからのオープンが1番確実。
でも、もう1回旭に上げて、また止められたら···
影「菅原さんっ!もう1回!!···決まるまで!!」
月「ドSだねぇ···王様」
影「あぁっ?!」
···苦しい時や、レシーブが乱れた時···ラストボールを託されるのが、エース。
分かってる。
分かってるけど···
一瞬だけチラリと見ても、旭は微動だにしない。
···トスを待ってない旭にトスを上げて、3枚ブロックと勝負させるなんて!!
嶋「オーライ!」
「嶋田さん!」
ここはとりあえず嶋田さんに···