第27章 小さな太陽と大きな背中
西「ほかのヤツがどう思うなんて関係ねぇよ!」
何でお前はいつも、直球ばかり投げて来るんだよ。
また何も言えなくなる自分が情なくて···踵を返した。
西「アンタは、またスパイク決めたいって思わないのかよ!!」
背後で西谷が叫ぶのが聞こえる。
スパイク決めたいって···?
そんなの···
そんなの···
田「ナイス日向!」
日「アザーっす!」
影「日向、次サーブ···」
ネット際の声に、ハッと我に返る。
何を挫けてんだよ、オレは。
いつも、思ってじゃないか。
何回だって、スパイク決めたいって···
「···思うよ」
西「え···?」
「何回ぶつかったとしても、もう1回···打ちたいと思うよ···」
やっと、やっとお前に伝える事が出来る···西谷···
西「それならいいです···それが聞ければ、充分です」
西谷を振り返ると···西谷は、前に目を見据えたまま···小さく笑っていた。