第27章 小さな太陽と大きな背中
~西谷side~
紡とスガさんのダブルセッターのスパイク練習、ちょっとしんどかったけど、面白かったな。
普段なら絶対そんなミスをしないだろう2人の、はちゃめちゃなトス捌き。
スパイカー陣も、そんなメチャクチャなトスを受けて咄嗟の自分の判断でのスパイク。
レシーブはもちろん、オレひとりで。
予期せぬ場所へと飛んで来るボールをひたすら拾い続ける練習···悪くねぇ。
こんなに練習が楽しいと思ったのは、久しぶりだ。
ひと通りみんながスパイクを打ち終わり、今度は2人1組でレシーブ練習···
さっきまでオレだけでレシーブ練習してたようなもんだから、大地さんがちょっと休んどけなんて甘やかしてくれてるから、何となくみんなのレシーブ練習を眺めてる、けど。
日「わっ!ごめん城戸さん!」
紡が打ち込むボールが日向の腕を弾いて、おかしな方向に飛んで行く。
翔陽がレシーブ苦手なのは知ってたけど、酷すぎるぜ···
『日向君!前に行ったこと忘れちゃったの?!腕だけで受けない!膝使う!腰引かない!わかった?!』
おぅおぅ、なかなか厳しい紡先生だな。
しっかし、紡もタフだな。
あんだけトス上げた直後に翔陽のレシーブ練習···いや、レシーブ特訓とは。
山「あっ···」
ん?
···特訓が必要なのは、翔陽だけじゃないみてぇだな。
取り損ねたボールを追いかけて行く山口を見ていると、体育館の入口に人影が見えた。
ー はい ー
山「ありがとうございます···」
その人影は、転がって来たボールを拾い上げ山口へと手渡した。
···誰だ?
ー うぃ~っす ー
ー うわぁ、懐かしいなぁ ー
···誰だ?
次々に現れる見知らぬ人物達から、オレは目が離せなかった。
ー チーム町内会、参上!! ー
チーム···町内会?
繋「おぉ~!悪いなお前ら、急に来て貰って!」
あぁ、さっき言ってたオレ達の試合の相手か。
月「町内会って言うから、もっとオッサンかと思ってたのに」
山「オレも···」
···オレもだ。
どう見てもオッサンじゃねぇな。
コーチと同じくらい、か?
中でも一人はオレ達と大して変わんねぇくらいの人もいる。
メンバーが集まったって事は、この後は···
繋「よーっし!そろそろ始めるぞー!」
「「 オーッス! 」」
だよな···