第27章 小さな太陽と大きな背中
菅「痛ってぇ。でも紡ちゃんの愛の印がオレの背中に」
『変な言い方しないで下さい!』
菅「ほら、ちょい背中捲ってみて?」
『嫌ですよ!』
菅「絶対ついてるから、跡!」
そんなに強く叩いちゃったかな、私。
ちょっとだけ罪悪感が生まれ、仕方なくチラリと菅原先輩のシャツを捲りあげる。
菅「···紡ちゃんのエッチ」
はぁっ?!
捲り上げた場所には手形なんてなく、色白の肌が少しだけ赤くなっているだけだった。
『スガさん!騙しましたね?!』
菅「紡ちゃんのせいで、もうオレお嫁に行けない···責任取って貰わないと」
『そもそもお嫁に行かないでしょ!!行くならお婿さんです!』
菅「じゃあ、そっちでもいいや。ね?子供は何人欲しい?いや、何人作る?バレーチーム出来るくらい?」
子供···?!
しかもバレーチーム作るって何人ですか!!
『そんなに産めませんよ!体が持ちませんから!』
あれ?
問題はそこじゃないよ!
『スガさん!セクハラ発言するなら清水先輩呼びますよ!』
菅「それは···お断りします···痛いからね、あれ」
菅原先輩がチラッと清水先輩を見て苦笑する。
菅「紡ちゃんさ、オレは大丈夫だから。ちょっとトゲが刺さっちゃってるけど、そのトゲもいつか···取れる時が来るからさ」
いつになく、真剣な表情。
さっきの心、読まれちゃったのかな?
なんて考えていると···
菅「スキあり!」
おどけながら菅原先輩が腕に閉じ込める。
『うひゃぁ!!し、清水先輩助けて!!』
菅「えっマジで清水呼んじゃうとか反則だよ!」
『じゃあ早く離して下さい!』
菅「どうせ鉄槌食らうなら堪能しちゃう!痛っ!清水来るの早ッ!」
慣れ親しんだ音が豪快に響き、同時に菅原先輩が頭を押さえた。
清「菅原、それ以上は逮捕する」
田·西「「逮捕?!潔子さんに逮捕?!」」
凄い地獄耳コンビ。
清水先輩の言葉を拾った田中先輩と西谷先輩が潔子さんに逮捕して欲しいだとか、何日でも拘留して欲しいだとか言い始めて軽く騒ぎになる。
菅「紡ちゃん、ヤバいから逃げよう」
『ですね』
私達はそっとその場を離れボールケースをガサガサと漁る、フリをする。
そろそろかな?
そう思った矢先に。
澤「お前ら、いい加減にしろっ!!」
澤村先輩のお馴染みの怒号が飛んだ。