第27章 小さな太陽と大きな背中
城戸···紡···?
城戸紡?!?!?!
お、思い出した!!!
「うわぁぁぁっ!!」
『きゃぁぁぁぁっ!!』
菅「わっ!」
オレが突然大声を上げたせいで、ちっこいマネージャーは驚いて隣りの部員にしがみついた。
「お、おおおお前やっばり!ブラックツインズの妹か?!ウチのジジィにベタベタに甘えてた、あの紡かっ!!」
『ははははいっ!じっちゃが大好きな城戸紡ですっ!······え?ブラックツインズ?』
や、やっぱりあの恐ろしい城戸兄弟の妹じゃねぇかっ!
澤「あの、すみません?ブラックツインズって言うのは···」
菅「あ、それオレもなんか気になった」
「ブラックツインズってのはなぁ、思い出すのも身震いするような···コイツのアニキ共の呼び名だ」
澤「···はぁ」
「忘れもしない中学時代、オレはコイツのアニキ共に散々いろいろやられてたからな。ジジィのバレークラブにもいたから、何かと絡んで来やがって」
菅「それで、どの辺がブラックなんですか?オレ達、紡ちゃんのお兄さんのこと知ってますけど、とてもそんな···ブラックとか呼ばれる様な感じじゃありませんでしたけど?」
実際、そう呼んでいたのは一部の被害者達だが···
とりあえず、軽くオレが過去に受けた被害を1つ教えてやったのに、城戸妹は違うだのウソつくなだのと騒ぎ立てる。
「ウソじゃねーよ!お前に分かるか?!憧れのマドンナ的存在の前でジャージのズボン下ろされたオレの気持ちが!!」
プリントを回収しに来た···その、アレだ。
オレの初恋っつうか、憧れのっつーか、学年で1番人気の女子と話してる時に···ザッとズボンを下ろされたんだよ!
咄嗟に押さえたからギリ間に合ったものの、反応が遅れたらヤバかったんだからな!
前はギリギリだったが!
ケツは丸出しに近かったんだからな!
それ以来、卒業まで···マドンナちゃんとは殆ど話を出来る状態じゃなかった···
『桜太にぃはそんな事しないもん!』
しないもん!って言われてもオレは立派な被害者なんだよ!
「やったのは慧太の方だ!いいか、よーく聞いとけ!桜太は持ち前の頭脳を使っての司令塔、そして実行犯は慧太だ!分かったか!」
『ち、違うもん!絶対違う!』
コイツ、まだ言うかっ!