第27章 小さな太陽と大きな背中
大好きだったハジメ先輩と終わりを迎えたこの場所で・・・
私はいま、その大好きだったハジメ先輩と戦うためのメンバーと・・・ここにいる。
終わりと、そして始まりと・・・そんな言葉では言い表し切れない、おかしな組み合わせのふたり。
『なんか、不思議ですね・・・』
旭「えっと・・・何が、かな?」
この流れで話すべきか・・・一瞬、迷う。
だけど、時間は限られているし。
いい意味で、私達は前向きになりたい。
『・・・前に、話しましたよね?私がバレーを離れた理由』
旭「あぁ・・・うん、聞いたよ・・・」
ペットボトルの蓋を開けながら、小さくポツリと返事をくれた。
『その時の、最後のお別れした場所が・・・この場所なんです』
旭「えっ・・・あっ」
私が言うタイミングが悪かったのか、東峰先輩が驚き過ぎたのか、開けたばかりのペットボトルからミルクティーが零れる。
『慌てすぎですよ東峰先輩・・・はい、これ使って下さい。シミになったら困りますから』
ポケットからハンドタオルを取り出し、手渡した。
旭「ありがとう。なんか凄いカミングアウトでびっくりしちゃって・・・あはは」
『その時も、その人とこうやって並んで座って、いろんな話をして・・・それで・・・あ、でもですね、何となく予感はしてたんです、私』
「予感?」
『はい。電話で呼ばれて、なかなか会えなかったこともあって嬉しくてダッシュで来て、あの入口でベンチに座って考え込んでいる姿を見て・・・もしかして・・・って。だから、少しだけの覚悟はあったんですけど、やっぱり、ショックでした』
「なかなか会えなかったって、その人は遠くにいるとか?・・・あ、興味本位で聞いたらイケナイよね・・・」
『近くて、遠い・・・っていう感じでしょうか。影山はもちろん、大地さんやスガさんも知ってる事だし、東峰先輩にもこの際ドーンって話しちゃいますけど・・・』
旭「ドーンって・・・あ、なんかちょっと待って、心の準備が・・・」
胸に手を当てながら深呼吸する東峰先輩を見て、思わず笑ってしまう。
旭「そんなに笑わなくても・・・」
『だって東峰先輩、大地さんが言っていた意味が今ちょっと分かっちゃったなって。フフッ・・・ガラスハートとか・・・』
それはあんまり覚えて欲しくないなぁ・・・と東峰先輩も苦笑する。
