第27章 小さな太陽と大きな背中
~西谷side~
「龍・・・悪い。離してくれ」
さっきの出来事を思い返しながら、自分なりに・・・ヘコむ。
田「ノヤっさん、自分がした事・・・分かってんのか?」
「あぁ・・・分かってる」
オレがした事・・・それは・・・
自分の手を見つめ、グッと握り締める。
売り言葉に買い言葉で、ついカッとなって・・・あんな事を。
相手はオレより随分と小さくて、女じゃねぇか!
何やってんだよ!オレ!!
目を閉じれば、あの一瞬に驚いた紡の顔がチラつく。
「クソっ!!」
叫び混じりに立ち上がり、ドアに向かう。
木「どこ行くんだよ、西谷」
「決まってんだろ!今すぐ紡に謝りに行く!」
・・・許して貰えるかなんて、わかんねぇケド。
縁「残念だけど、彼女はもういないよ」
おもむろにドアが開けられ、力が一人そこにいた。
「いないって・・・?」
縁「城戸さんは旭さんと何か約束があるって言って、ふたりで出かけた」
旭・・・さん、と紡が?
「力、それホントか?!」
縁「嘘ついてどうすんだよ。それに、オレがその旭さんの所まで送って来たからね」
ー 西谷先輩、私に・・・少しだけ時間を下さい。私は私で、考えたいんです・・・お願いします・・・ ー
さっきの紡の言葉・・・
時間はともかくとして、考えたいってなんだ?
縁「あ、そうそう。城戸さんが、さっきここで起きた事は知られたくないって言ってたよ。だから、西谷も騒いだりすんな。あと田中も」
田「知られたくないって?」
縁「さぁ?でも、西谷だって部に復帰したばかりだし、城戸さんなりの・・・じゃないのか?わからないけどね。あとで謝る事は謝っとけよ?」
「・・・分かってる」
旭さんと紡。
接点なんてない・・・と、思う。
なのに、ふたりで出かけた・・・って。
・・・どこに?
「ぐぬぁぁぁぁ!!モヤモヤするっ!!」
縁「西谷うるさいっ!」
「うっ・・・スンマセン」
ギラりと目を光らせる力を横目に、モソモソとオレも部活に出る支度を始めた。