第27章 小さな太陽と大きな背中
『いえ、何でもないです。大丈夫・・・私、行きますね。東峰先輩に待ってて貰っているので・・・』
縁「旭さん?・・・あぁ、だからか・・・わかった。そこまでは送るよ」
同じように柵に寄りかかっていた縁下先輩が私の隣に並ぶ。
『あの、着替えとかあるので私ひとりで大丈夫ですよ?』
縁「それこそ大丈夫。パッと脱いで、サッと着ればスグだから」
『・・・田中先輩みたい』
縁「あんな、どこでも脱ぐヤツと一緒なのは・・・ちょっとイヤだなぁ・・・」
ゲンナリとしながら縁下先輩がそう返した。
『あの、縁下先輩。私、普通に見えますか?』
縁「普通って?」
『何かあったんじゃないか的な顔、してますか?』
縁「う~ん・・・そう言われても、オレは現場を見ちゃってるからねぇ・・・でも、城戸さんが知られたくないって言うんなら、アイツらに口止めはしておくけど?」
お願いします、と伝えて歩き出した。
あとは・・・東峰先輩と腹を割って話すだけ。
・・・そこが1番の難関なような気がするけど。
私が自分で決めた事だから。
・・・どんな風に切り出せばいいのか、まだ、迷ってるけど・・・
菅「あ、戻って来た!」
『すみません、お待たせしました!』
出来る限りの平静を装って、出来る限りの笑顔を見せる。
旭「用事は・・・大丈夫?」
『はい。東峰先輩も、何度もお待たせしてすみませんでした』
旭「それは・・・大丈夫なんだけど・・・ダイチが、ね」
大地さん?
あ・・・そう言えば、さっきのドタバタでちゃんと部活遅れる理由をまだ話してなかった・・・
澤「城戸さん、ちょっと・・・話、いいかな?」
ほのかに黒いオーラを纏い、目だけが笑っていない笑顔で私を見る。
き、城戸さん?!
それはまた、懐かしいような気がする呼ばれ方です。
澤村先輩に手を引かれ、みんなからすこーし離れた場所へ移動する。
澤「さて、遅刻の理由を聞いておこうか」
き、来た・・・
澤「なぁ~んてね、驚いた?」
『・・・は・・・え?え?』
驚くも何も、驚き過ぎて口をパクパクしてしまう。
澤「旭と、何か大事な話がしたいんだろ?・・・いいよ、行っても」
『大地さん・・・?』
澤「この間、保健室で旭と何か話したんだろ?その頃からなぁ、何となく旭の持つ空気が違う・・・気がするんだよ」