第27章 小さな太陽と大きな背中
そうだなぁ・・・と呟いて、慧太にぃは少し考え出す。
慧「その時の状況にもよるけど、あんましオレにチェック厳しかったとしたら・・・オレにボール寄越すなとか思うんじゃね?点が取れないオレに、繋がないでくれとか」
『それってみんなそう思うかな?!』
慧太にぃの言葉に思わず身を乗り出して食いつく。
慧「お~い?オレを見くびって貰っちゃ困る。あくまで例えば?の話だ。オレだったらブチ抜くまで勝負するぜ!」
『それは慧太にぃが鋼の心臓だからで、』
澤 ー 見かけによらずガラスハートだ ー
澤 ー 乗り越えられる壁なのに、足踏みをして目を背けてるだけだ ー
ふと、澤村先輩の言葉が頭を過ぎる・・・
『ガラスハート・・・目を背けてる・・・』
リベロに点は稼げない。
オレはエースを信じてトスを上げることしか・・・
みんなに合わせる顔がないんだよ・・・
負の・・・トライアングル?!
これだ・・・
『私に出来ること・・・私にしか出来ないこと・・・』
何が、あるんだろう。
桜「あるよ、紡にしか出来ないこと」
『桜太にぃホント?!』
慧「そうそう、オレの知る限り誰にも負けないヤツな」
『そう言われると・・・余計分かんなくなってきた・・・』
何でだよ、と突っ込みを入れられながらも考えてみる。
桜「自然体の紡で、いつものように真正面から直球投げてみなよ?」
慧「どストレートなやつ、な?」
『それじゃ私が・・・ただのバカみたいじゃん・・・あれ・・・桜太にぃ今、いつものようにって?』
慧「・・・今頃かよ」
桜「そういう所も紡なんだよ、慧太」
慧「知ってるよ」
ふたりだけで笑いあっていて、なぜそうなのかは私には分からないけど・・・
でも、これで明日・・・東峰先輩との距離が少し変わるといいな、なんて思っていた。
『桜太にぃも慧太にぃも、話を聞いてくれてありがとう』
ニコリと笑う桜太にぃの側に寄り、ちょっとだけ・・・キュッと抱きついた。
桜「お役に立てまして」
桜太にぃは、ひと言だけそう言ってポンっと頭を撫でた。
『じゃあ、後はお風呂入って・・・寝る!』
ベッドの中で、もう少し考えたい事もあるし。
慧「おーい!何か忘れてねぇ?」
『ないけど?』
あからさまに両腕を広げて待ち構える姿を見ながら自分のカップを片付けた。