第27章 小さな太陽と大きな背中
慧「それが・・・影山の事だったつーワケ?コート上の王様ね、カッケーじゃん?アイツのトス回し激上手いし、ボールを自由自在に扱う・・・的な?」
桜「ところがね、そうじゃなかった。それはいい意味で呼ばれていた事じゃなかったんだ」
桜太にぃが、影山の異名を知っていたとか。
しかも、その理由まで・・・
桜「まぁ、そういった事があってからこその、影山君の言葉なんじゃないかな?と、俺は思う」
慧「別に・・・重い過去なんつーのはよ?誰にだってあんだろ。オレにも、桜太にもな。紡、大事なのは・・・今だって、影山に言っとけ」
『え、私が?!・・・自分で言ってよ、そんなの』
桜「で、そのエーススパイカー君の話に戻るわけだけど・・・紡は確かにスパイカーの経験は、ない」
慧「ちっせぇからな、痛ッ、お前蹴るな!」
『慧太にぃはイチイチうるさいから!』
桜「あはは、確かに小柄だけど、だからと言ってその悩みとか苦しみが分からないって事はないはずだよ?同じコートに立っていれば・・・立場を置き換えてごらんよ」
立場?
『それって、もし私が背が高くて・・・ってこと?』
それを想像してみろって言ってるのかな?
桜「違うよ。紡は長年リベロをしてたけど、もし、自分が拾ったボールをセッターが上手くトス上げられなかったら、どう思う?」
私が拾ったボールで上手くトスが上がらなかったら・・・
コートにいる自分をイメージして、言われた事を思い描いてみる。
『もっと、ちゃんとセッターの位置に繋がないと・・・とか?』
桜「じゃあさ、紡は少しの間セッターもやってたけど、自分が上げたトスをスパイカーが上手く打てなかったら・・・どう思うかな?」
「それは・・・もっと打ちやすい所へとか、その時上げたトスの反省よりも、その次に上げるトスの事を、その都度考えちゃうよ・・・」
私がそう言うと、桜太にぃは冷めかけたコーヒーに口を付けながら、そうだね、と、頷いた。
桜「それじゃ今度は慧太に聞くよ?」
慧「あ?なんでオレ?」
桜「慧太がスパイカーだったからだよ」
慧「いや、それは桜太もだろうがよ」
桜「今は俺はいいんだって。まぁとにかく、慧太はさ?そんな風に自分に繋がれたボールを、決められなかったら・・・若しくは何度もブロックで止められたら、どう思う?」