第27章 小さな太陽と大きな背中
片付けと言っても、人数分のカップやお皿だけですぐに終わってしまう。
桜太にぃが帰ってから、ふたり一緒に話を聞いた貰った方がいいのか。
それとも、先にどっちかに・・・
でも、慧太にぃは茶化さずに聞いてくれるだろうか。
迷いながら、なんとなく慧太にぃをチラチラ見ながらうろついてしまう。
慧「・・・紡」
『お、おお桜太にぃ遅いね!』
慧「今さっき行ったばっかだろうが・・・」
あはは、そうだった。
慧「あのよぅ、紡」
『あ、慧太にぃお風呂は?』
慧「あ?いや、後で入るけど?」
『そっか、後でか・・・じゃあ今のうちにお湯溜めとこうかな?』
慧「紡・・・とりあえず座れ」
ソファーに座る慧太にぃの隣りをポンっと叩かれ、おずおずとそこへ腰掛ける。
慧「お前、さっきからソワソワと落ち着きなさすぎ。チラチラ、チラチラ何度も見てくるし?どうした?なんかあったのか?」
『えっと、別に・・・』
なんて話を切り出せばいいのか、迷う。
普段は何かあれば桜太にぃに聞いてもらうことが多く、桜太にぃもそれに見合ったアドバイスをくれたりする、けど。
こうして慧太にぃに向き合うと、迷う。
そんなのほっとけよ、とか。
お節介すぎるだろ、とか。
そんなことを言われたら、どうしようとか。
でも、東峰先輩やチームの事を考えると・・・お節介だと思われても自分が納得したいって事も、ある・・・けど・・・
慧「あのなぁ、オレってそんなに頼りない?そりゃあ桜太の方が相談しやすいってのもあるだろうが、オレも一応、桜太と同じ・・・お兄様よン?」
お兄様・・・どの辺がお兄様?!とか言いたいけど!
笑い出しそうな気持ちを押さえ込むために、横を向いてみる。
ひとつ大きく息を吸って、吐いて。
よし、話してみよう!と元の体制に戻る。
慧「ま、いいけどよ・・・」
あ、あれ?!
『慧太にぃ、どこ行くの?』
慧「・・・」
『あ・・・行ってらっしゃい・・・』
無言で煙草の箱を向けられ、ウッドデッキへと向かう慧太にぃを見送る。
もしかして慧太にぃ・・・拗ねた?
ってより、怒った??
そっと足を忍ばせ、リビングの窓からコッソリ覗いてみるとウッドデッキの端っこに寄りかかり煙を吐いている。
言いたくないんじゃなくて、言おうとして気持ちを整えてただけなんだけどな。