第27章 小さな太陽と大きな背中
『家出する・・・』
慧「はっ?」
桜「えっ?!」
影「どこに?」
・・・何で影山だけ行き先?
そんなの教えたら家出にならないじゃん。
『だって・・・とにかく家出するから』
桜「え~っと、それはちょっと、困るかな・・・」
『ちょっとしか困らないんだ?』
桜「え?あ、いや、そういうんじゃなくて」
慧「拗ねんなよ」
『拗ねてない。この話は終わり!ごちそうさま』
無理やり話を打ち切り、影山のも一緒に食器を片付けキッチンへと運ぶ。
あのままいたら、絶対弄られる・・・
それだけは避けたい。
これから東峰先輩のスパイカーの苦悩とか、いろいろ詰めて行かなきゃとか思ってるのに、テンション下げたくないし。
・・・スパイカーの苦悩?
・・・スパイカーの?
スパイカー・・・
超身近にスパイカーいるじゃん!
東峰先輩とも、岩泉先輩ともタイプが違うけど・・・
でも、話を聞くことは・・・出来る!
ひと通り話してみて、私が思ってる事を聞いて貰って。
・・・答えを導き出すアドバイスを貰えたら。
我ながらいい考え・・・って訳ではないけど、先が見えて来た嬉しさに洗い物をする手が早まる。
洗い終わったらコーヒーでも入れて。
あ、私と影山は紅茶にしようかな?
薄目にすれば、コーヒーでもいいのかな?
そんな事を考えながら次々と洗い物を済ませていると誰かがキッチンに入って来る気配がした。
『影山・・・ここは大丈夫ってさっきも言ったの、に・・・あ・・・』
人の気配に声をかけながら振り返り、それが影山じゃない事に・・・気づいた時には、遅く。
慧「へぇ~・・・影山じゃなくて悪かったな?」
・・・まさかの慧太にぃ。
さっきの流れから、影山だとばっかり思ってたけど。
桜太にぃ達も帰ってるんだし、影山だとは限らないんだった・・・
『・・・なに?』
私を見下ろしニヤニヤする慧太にぃに一瞬だけチラリと視線を送り、逸らす。
慧「い~や?べっつにぃ?」
『だから、なに?ニヤニヤしないでよ』
慧「影山と新婚さんごっこは楽しかったかなぁ・・・ってよ?」
『し、新婚さん?!はぁっ?!』
慧太にぃの突拍子もない発言に驚き過ぎて口が塞がらない。
慧「せっかくオレが手伝ってやろうかと思ったのに、桜太ならまだしも?影山と間違えられるとはなぁ?」