第27章 小さな太陽と大きな背中
リビングのドアに手をかけたまま、桜太にぃがクスクスと笑い続ける。
いつの間に帰って来てたの?
全然気が付かなかった・・・
桜「ただいま、紡。それから影山君も」
影「あ、えっ、と・・・お邪魔してます」
『お帰りなさい桜太にぃ。気が付かなくてごめんなさい・・・』
桜「ついほんの少し前にね。そしたら楽しそうなやり取りが聞こえて来て、傍観しちゃった」
ほんの少し前と聞いて、いったいどの辺から居たんだろうとも思うけど、それを聞いてしまうと気恥しい感じもするから聞けない・・・
桜「紡、これお土産。ちょっと寄ったら新作お勧めされたからさ。ご飯食べたらみんなで食べよう。慧太もそろそろ帰って来るから」
そう言って渡されたのは駅前通りのケーキ屋の箱で。
ありがとうといいながら箱を覗くと、それはお勧めされるのも仕方ないと納得出来るジュレがキラキラとしたスイーツが入っていた。
『美味しそう!影山、早くご飯食べちゃおう!』
箱の中身を見せながら言うと影山もウンウンと頷いていた。
桜「じゃあ俺は着替えて来るから、2人はゆっくり食べてて?」
私達を見て笑いながら桜太にぃはリビングから出て行った。
慧太にぃも帰って来るって言ってたよね?
だったらすぐご飯食べれる様に用意しとこうかな?
・・・早くデザート食べたいし。
『影山そのままご飯食べてて?私は桜太にぃ達のご飯用意しちゃうから』
影「あ?俺も手伝う」
『大丈夫!ハンバーグ焼きながら盛り付けるだけだから』
そう言い残して、私はキッチンへと入った。
フライパンにハンバーグを並べ、フタをしていると隣に影が宿る。
『影山?食べてていいって言ったのに』
影「2人の方が、早いだろ。皿、並べるくらいしか出来ねぇけど」
まぁ・・・確かに・・・あ、いやいやいや・・・
『あはは、ありがとう。じゃ、早速お皿並べてくれる?』
影「おぅ」
・・・実は、使いたいお皿とか・・・届かないんだよね。
だからさっきも踏み台使ってたんだけど、それを見てたから来てくれたのかな?
なんて、影山の小さな優しさを感じながら頬を緩ませた。
2人で用意している内に慧太にぃも帰って来て、今度は4人でテーブルにつく。
さっきまでは影山と向かい合わせに座っていた私も、みんなが揃ったから賑やかな食卓に笑顔が増える。