第27章 小さな太陽と大きな背中
体格を考えても、私はスパイカー向きではない。
経験年数の僅かなセッターだって、確実性を考えたら怪しい時もある。
スパイカーじゃないと、分からない悩み・・・なのかなぁ。
影「食わねぇのか?」
手を止めてため息をつくと、影山が同じように手を止めて私に目を向けた。
『そうじゃないけど・・・ちょっと、東峰先輩の事を考えてて』
影「明日のことか?」
『ん~、まぁ、それもあるけど・・・スパイカーの悩みって・・・何かなって考えてたら、行き詰まっちゃって』
そう言えば、影山はセッターだけどスパイクも打つしブロックも飛ぶ・・・よね?
だけど、スパイカーだけでやって来た人とは違うから、込み入った悩みみたいなのは・・・ない?のかな?
『ねぇ、もし影山だったら・・・』
影「あ?」
『影山がエースだったら、どんな事で悩んだりひとりで苦しんだりする?』
影「・・・さぁな。俺には分かんね」
デスヨネー・・・
影「ただ・・・」
『なに?』
影「チームの中で、ひとりで苦しむのは・・・辛い」
影山は・・・中学の時の事を、言ってるのかな・・・
あの頃の影山は、ホントに・・・ひとりだったから・・・
『そうだね・・・』
影「あぁ・・・で、おかわり」
『また?!食べるの早くない?!ちゃんと噛んでる?!』
影「うっせーな!腹減ってて飯が美味いんだから仕方ねぇだろ!」
『お腹空いててご飯が美味しいとか、せっかく作ったのに失礼極まりないよ、まったくもぅ!』
影山の手からお茶碗を受け取り、ご飯をよそりまた戻る。
『はい、どうぞ』
影「飯・・・腹減ってるから美味いんじゃなくて、ちゃんと・・・美味いから」
『なに、急に』
影「別に。ハンバーグだけじゃなくて、この人参とか、そういうのも・・・美味いから」
『・・・あり・・・が、とう?』
影「何で疑問形?アホか」
・・・・・・。
『お褒めに預かり光栄で御座います、王様』
影「うっせーお子様!」
『お子様って言った!!!』
影「お前が先に言ったからだろ!」
『違う!影山が先に変なこと言うからじゃん!』
影「何がだよ!」
もういいし!と言おうとすると、クスクスと笑いが聞こえて来て、2人同時に瞬きをした。
ー 随分と賑やかな食事だね? ー
『桜太にぃ・・・?!』