第27章 小さな太陽と大きな背中
それをごまかす訳じゃないけど、つい、チラリチラリと影山を見てしまう。
影「城戸・・・お前さっきから・・・なに?」
『え?・・・あ~、え~っと・・・あ、そうそう!お、美味しい?かな?って』
影「美味い・・・あと、おかわり」
食べるの早ッ!!
なんか・・・変に意識してた私がアホみたい。
影山は、影山だよね。
キッチンまで歩いて、ご飯をよそりながら。
もし・・・あのままずっと続いていたら、あそこに座っているのは影山じゃなくて・・・とか・・・
・・・なぁんてね。
前を向いて歩くって決めたんだから、レッツ ポジティブ!
影「城戸、飯~!早く!」
つい後ろ向きになる私の思考を吹き飛ばすように、催促の声が届く。
『いま持ってくから待ってて!』
そう返して、私は小さく笑った。
テーブルに戻り、食事に箸をつけながら東峰先輩の事を考えてみる。
保健室で少し話した時、バレーが嫌いになった・・・とは、言わなかった。
だから、やっぱり・・・
戻るきっかけが見つからないだけで、本当は・・・戻りたいんじゃないかとも思う。
東峰先輩の壁って・・・例えば、どんなイメージだろう。
バレーに関しての事なら、プレーに関わる事・・・だよね?
エースと呼ばれていて、ここぞという時にはボールが集まる。
どんなに苦しい試合でも、みんながそれぞれの思いを乗せてボールを繋ぐ。
・・・重圧に耐えられなかった?
あ、でも、それなら比較的早い段階から・・・とか。
アレだけ背も高いなら、ブロックだってすると思うし。
もし・・・ブロック失敗したとしても、その背中にはリベロの西谷先輩がいるから、余程じゃなければ拾って・・・くれる。
そこからセッターの菅原先輩に繋いで・・・
繋ぐ・・・菅原先輩は東峰先輩に、繋ぐ。
もしも・・・繋げなかったら?
繋げないような状況だったら?
・・・私なら、どうするだろう。
私が、西谷先輩だったら。
・・・私が、菅原先輩だったら。
どんな状況だとしても、必ず繋ぐべきところへボールを送るだろうか?
その時の、周りの状況が全部把握出来てるだろうか。
繋がれたボールを、打つことが・・・
そこは、私には分からないから行き止まってしまう。
スパイカーなんて、やった事がないから。